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市川櫻香の日記


by ooca
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お稽古の始まりに

昔は、鰹節を削る時も、お米をとぐ時も、お花を生ける時も、行うかたちや構えというものがありました。お米にも、お花にも、鰹節にも、心と身体の構えを子供の頃に遊びながら覚えました。ここから美意識をもつことが生まれるように思います。美意識にはかたちだけではない、取り組む者の責任さえも含んでいました。それは、形を伝えながらとても丁寧に、物にも同じ心を持っていることを伝え、そのことは、思いをかけることの楽しさえも育てるように思います。お花に、最後まで頑張って綺麗でいて欲しいと思うこと、お米をとぐにも、食べる皆のことや、お米に思いを持つことも、構えの一つにありました。感謝だったり、気づかいだったり。歌舞伎の所作も同じです。心の構えと身体をつないで考えることで、よりはつらつと、気持ちの良いものとなります。お稽古を重ねてその形が身につき、それと同時に時空間を越え、自己本来の存在を新たに感じることにもなっていくのでしょう。姿勢は背中を意識し自分の後ろから体ごと動かしていく意識を持ちます。姿勢を正し精神統一を維持するようになります。身体中で表現するには、あくまでも、まっすぐ、おおらかに、ひろく深い、自己を意識することも大切です。
お稽古には扇を使います。扇は、自分の手の延長のように扱います。身体の一部としてなじんでください。扇を持ち物の代わりとして使う場合もあります。構えから始まり様々に使いますから、自然に扇が自分の手の中に納まることを普段から身近にするようにしてください。足袋は必ず白足袋を履きます。足元は大変大切です。木綿の厚地の足袋が必要です。安定した下半身による摺り足は、美しい身体表現の可能性を広げます。身体を運ぶというつもりでしっかり足元を足袋で固定し、力強い足の運びを身につけます。
お稽古には、録音機器や筆記用具など用い、復習する時に役立ててください。着物は、お太鼓結びでしますが若い方ならば、半巾帯でもかまいません。着物の着方は短めに、腰紐などきりっとややきつめに締めてください。帯や着物は、お稽古を積み重ねていく中で、着方もなじみます。できる限り着物を着ることは、合わせる、揃えるといった日本の良い習慣を身につけることにもなります。会や舞台に立つ時は、無地、紋付きに準ずる着物で紬などは用いません。普段のお稽古に、着物を着て習うようにしていると、自然に着物が身体に馴染んできます。腕時計や指輪貴金属などの装身具、メガネもなるべくはずしましょう。
まずは、両足を揃え、おへその下に力を集中させ、左右、前後、上下均衡を保ちます。腰は少し後ろ気味にするとバランスがとれます。おへそから下は下へ安定し、背中を意識し、頭は上へ引っ張りあげられている感じにします。目線は目の高さで、遠くを意識します。
さぁお稽古の始まりです。
by ooca | 2011-11-13 10:05