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市川櫻香の日記


by ooca
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むすめ歌舞伎公演を終えて

昨日は、たくさんのお客様にご来場頂き、有り難く思いました。
また、たくさんの方々のご協力、お力添えを、いつもながら、本当に深く感じた1日でした。肝心の舞台は、新たに【四の切】に挑戦させて頂けたことは、とても大きな経験となりました。前半、能の装束を着けた、義経と忠信のやり取り、5分の休憩を挟み、後半の偽忠信と静のくだりから、義経が、忠信実は、鼓の皮となった親狐を慕う狐の情愛に、自身の境涯を照らしていく流れがはっきりとしたように思います。
歌舞伎がリアルで能は幽玄とされていますが、この場合、能装束の義経と、忠信は、現実の目に見える世界に生き、静と狐忠信は、現実と幻の間を行き交うことのできるものとして見ることができると思います。
静は、白拍子です。白拍子は、巫女の役割もそなえています。狐親子の情愛を静が感受し、義経の葛藤を鎮めることへ導いていきます。
歌舞伎の定式通り赤姫の拵えの静です。激しく情愛を享受する彼女のテレパシーのようなものが、狐を遣わしめ、また、義経を救うことになることは、本当によく考えられたお芝居と、あらためて感じました。
他、また書き止めていきたいと思います。

芸術文化は、人々の心を慰めます。慰めるだけではなく、戒めもあたえてくれます。謀りごとのいかに、不実なことか、あなたの真実はどこにあるのか、と、問いかけてくるようなものが、芸術にはあると思います。
by ooca | 2012-11-25 00:01