人気ブログランキング | 話題のタグを見る

市川櫻香の日記


by ooca
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

掛け合い

歌舞伎所作事に、常磐津と義太夫や長唄と常磐津など、二種類、三種類の邦楽をつかう「掛け合い」による演目があります。この掛け合いは、観客の耳からお芝居を盛り上げていく効果があります。演奏家の芝居心も、掛け合いのいき合い(息、意気)にかかわります。代表格のひとつは、法界坊の大喜利所作事です。舞踊会にも上演され私は10代に、この演目の女船頭を致しました。子供の頃から大好きな演目です。大好きな点は、沢山ありますが、まずは、掛け合いの息合いにあります。常磐津と義太夫の味わいが、それぞれの山をつくっています。
その2つの息が、劇場中に闇と晴れを交互に私達に見せてくれます。隅田川の畔のあの世とこの世を感じさせてくれるのです。
今月の歌舞伎座は、この法界坊を上演中です。
拝見致しました。
ご覧になられた皆様、掛け合いによる展開の妙味はいかがでしたでしょうか。私は様々な感想を持ちました。演奏は、お芝居に大きく左右しますね。特に、立て語りの役割は全体のムードをつくるので重要です。置き浄瑠璃ののり、旨味は始まりの気分を盛り上げていくように出来ています。
始まりというのは、何でも難しいものです。

by ooca | 2014-09-21 08:37