市川櫻香の日記


by ooca
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むすめかぶき

友人の演劇プロデューサー荒川秀樹さんは
現代演劇、劇団昴の時代に、1959年
アメリカで書かれた、小説【アルジャーノン
に花束を】を初めて舞台化、超頭脳を手に
入れた人間は、本当に幸せなのか。
当初この作品の舞台化は、人の知能精神を
扱う為、お客様に受けいられるかを懸念。
しかし、そんな心配をよそに舞台は大成功を
納め、この小説は広く知られることになった。
今年4月よりテレビドラマもスタート。

能楽から歌舞伎にも狂乱物は受け継がれ
ているが、現代演劇は人間の根元を追究する。
見るものに次なる扉を与えている。
荒川さんとの出会いは、むすめ歌舞伎の
東京公演でした、それ以後
引き続き25年、今では大切な友人です。

かつて人が時代ごとに創造の芸道に邁進し
能そして歌舞伎を今日まで私達に残した。
更に現代の演劇が共に歩む。能楽も歌舞伎も
現代演劇も、各々形があり、良き垣根がある。
しかし、垣根はあっても、かつてという過去は
必ず次の時代の要素に含まれていく。
そういった話を荒川さんとするとき
とても豊かな贅沢を感じる。
荒川さんが、私との会話のまとめを文章に
してくれました。

むすめかぶき

【全ての人間の奥底には本能に通じるしたたかな水脈があり、その水脈に感情が届いた時人々は共振し心震わす。社会と個人、社会を形作る秩序というものと芸能のバランスとは云わば人間の理性と本能のバランスというもので、時代その時々でそのバランスは形を変えてきた。時に狂言であり、能であり、歌舞伎であり。そこで今の時代は人間を見つめ直す、岐路にある時代と思えます。19世紀以降の科学万能主義、秩序を重んじ全てに確かな答えを求め、走ってきた時代。それは理性が肥大し、本能がやせ細った時代であったように思えます。管理され一兵卒としての人間。例えば暮れの紅白歌合戦。ほとんどの歌手を知らないのは良しとして、100万枚200万枚を売ったという歌手、その歌を知らないという事実。ひと昔ミリオンセラーといえば『上を向いて歩こう』でした。それは今は滅多に聞かない言葉、”老若男女”が歌えた曲でした。そこで考えると今のミリオンセラーは例えば15歳~18歳までは皆知っているが、そこを外れると知らない、歌えない。逆に15歳から18歳までは隣人との歩調に腐心し、取り残されることを恐れる人々。そこに小さな全体主義があります。そこで初めに戻ります。今の時代は横に繋がり難く、個人に走り、本能の束を作りにくい時代。個のシャベルでは水脈に届きません。そんな今”むすめ歌舞伎”がカブキます。答えを求める舞台ではなく、本能赴くまま、どこまで本能に身を委ねられるか。静かな水面に一石を投じる波紋の広がり、共振する空間を目指している】
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by ooca | 2015-05-15 01:08 | 櫻香のつぶやき