市川櫻香の日記


by ooca
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今回

むすめかぶきの取り組む、秋の舞台は、武田勝頼に恋をする二人のお話です。
普段上演されない「二段目武田信玄館」に取り組み、その後の場となる名作「十種香」即ち、長尾謙信館の場を上演します。
「かぶき」は、役者を生かすために作り上げられ、戯曲よりも役者がもっとも重要な要素であることを特徴としています。そのことはこのお芝居からもおわかり頂けます。ことに「役柄」ということを重んじてきました。

まずは、若さを象徴する【前髪の若衆方】前髪を結い、着付けの衣紋を抜いた襟元からは色若衆と名付けられた系譜につながる感覚を大切にします。これが「武田勝頼」の役柄です。
勝頼をめぐる若女形の役柄は【赤姫】と【時代狂言の娘役】です。
長尾謙信の娘、八重垣姫は姫役のうちでも至難の役とされる「三姫」の1つとされています。
また、長尾家に潜入している、腰元濡衣も重要な立場の役柄です。姫役とは異なり姫役を助けながら、十種香の場を作り上げることが必要とされます。
赤姫と前髪の若衆を、取り持つ計画をこの場で実行するのがこの濡衣です。性根のある腰元になります。

むすめかぶきは、2007年より、能楽堂をお借りし、能役者の方々からもお教え頂き、能から歌舞伎にうつした演目を上演してまいりました。
今回の戯曲は、文楽からうつした歌舞伎の名作に取り組み、能役者の方々にご出演をいただく公演となりました。

二段目の立役(男役)、首受け取りの上使、悪人役、実事役の武田信玄にお狂言役者の佐藤友彦様方々にお勤め頂きます。
四段目(十種香の場)では、敵役になる長尾謙信役を、脇方高安勝久様にお引き受け頂きました。

私どもむすめかぶきは
市川九女の二段目武田勝頼
四段目十種香の八重垣姫
市川舞花の十種香の濡衣
柴川菜月の二段目の濡衣
佐々木理恵の簑作実は勝頼
私は、二段目武田信玄の奥方常磐井と切りの奥庭、狐火の八重垣姫をいたします。

それぞれ役柄の領域をはっきり際立たせていくことを歌舞伎は、型や演出で伝えています。
歌舞伎独自の様々な精神の見せ方、花の命「断末魔」クドキの「嘆き」やお姫様の「恋の告白」、「妖気」「悔恨」

封建社会のなかにおし殺されていくはかなさを、散るがゆえの美しさにおきかえた歌舞伎作者ーむすめかぶきの役者は歌舞伎の役柄と混ざり合い
奇想天外とはいえない、見えない世界を女子の本能で感じ、型や振りで粒だてています。
多くの方々から受け継いだものを、各々が歌舞伎の役柄にうつし込んでいこうという、未熟ながらも、その熱意を感じていただければと存じます。

皆さまのご来場をお待ち申し上げております。
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by ooca | 2016-09-23 11:19 | 櫻香のつぶやき