市川櫻香の日記


by ooca
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指導者の職人

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指導者の職人に。
設計図にならされ指導するのでなく、職人さんのように、かんと工夫を大切にし、その子を見て、その子にあった練習、お稽古を、様々に工夫する。楽しむことは、いきいきとのびることにつながっていくと、このところ、わかってきました。
工夫、アイデアを枯渇させることのないようにしなくてはね。
目標は、70歳になった時に、「あぁいい指導者だ」と言われたい。

本日、今池ガスホールへ。
義太夫の川地重幸氏の傘寿記念演奏会です。鶴澤清治さんをおむかえし、恋飛脚大和往来の新口村の場を語られます。私は、なんと司会をします。
川地氏からお頼みを頂きましたが、慣れないことです。頑張ってみたいと、初挑戦。

いつも有り難うございます。
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by ooca | 2011-04-29 09:42

心おこせば花鳥風月

日本には実に多くの古典文学があるのに、あまり知らないまま終わるのが残念に思えます。随分以前に古典の案内書として購入した「日本の古典」名著への招待をめくり、私達の日本を想像します。本書は、38名の執筆者により、西暦712年古事記に始まり、近世の最後を勝海舟の晩年における回顧談「氷川清話」で止めとしています。西行の山家集が1178年、おくのほそ道が1694年。先日の櫻別会で阿部一恵さんが、「西行から芭蕉までおよそ500年」と解説され、歴史の流れを広げて皆さんにお伝えしたのは、良い視点でした。あの日の演目「松島」の作者、河竹黙阿弥の、「青砥稿花彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」有名な白浪五人男ですが、この初演が1862年と、本書付録年表で流れを目に出来ます。古典を読んでほしいという編者、北原保雄氏の思いが伝わってきます。名古屋に平家物語研究で、著名な山下先生がいらっしゃいます。最近の、先生から頂いたおはがきに【金曜日、夜の芸能番組を楽しんでいます。勧進張の裏に文覚
があり、弁慶と富樫の応答の裏に平治物語の信西があります。中世芸能の相互乗り入れに気づくことがしばしばです。】と、わくわくとされているご様子が伝わって参りました。NHKの、リニューアルされた伝統芸能番組【花鳥風月堂】を見ながら江戸人の文化力の裏に、中世の古典文学があるとあらためて感じたそうです。
その後、先生とお電話で、藤原信西について30分。弁慶と富樫の問答の裏に平治物語がある点をもう少しお聞かせ頂きました。電話を終えてから、慌て調べてみると【唐僧頼来朝】信西が唐僧と問答をしているところがありました。唐僧は、信西がどれほどの知識を持った人物か計ろうとして、問いかけますが、一つ一つ的確に答えていき、ついに、唐僧に「生きたかんのんをや」といわしめた。という内容。信西は最期、処刑説と自刃説がありました。子孫は天台宗の説経者となっています。1840年並木五瓶によって書かれた、勧進張の問答に、1220年に書かれた平治物語に、信西の問答を重ねていく見方に、伝承を感じます。信西は僧侶でもあります。勧進張は平家物語に、文覚が院の御所で勧進張を大声で読み上げるくだりがあります。平家物語の文覚が、およそ200年後の義経記の弁慶に受け継がれている点も、ともかく、昔の人たちは、作者もお客様もそういったこともふまえて、楽しんでいたと考えられます。信西の子孫らの伝えた説経の力も大きかったはずで
す。
何をおいても、心揺さぶることとは個人によるものから発せられます。古典の中に、作者を動かした何ものかに近づいていき、力の元を感じていくことは、大切なことです。何事も元と筋から、見えてくるということでしょうか。

時代はそこを照らしているように思います。

今日はゆっくり。
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by ooca | 2011-04-28 14:01

櫻別会・寸景

春の昼下がり、少し肌寒い中、鶴舞公園の西、古書店の並ぶ道を一本南に入り、すぐに、中部邦楽教室の看板を見つけます。八重桜が満開の細道は、櫻の花筏が目に楽しく、訪れる人を華やかに彩りました。この日を準備した、解説進行の阿部一恵、受付、成田千恵子、お茶の御奉仕に、水谷千左、主宰の私、市川櫻香、舞台後見、市川りき、により、日本の伝統文化芸能を「担う心意気を持って」様々な顔ぶれの方々をお迎えしました。
解説の準備は、約1ヶ月弱前から始まりました。今回取り上げました「常磐津、松島」は、西行から芭蕉、そして黙阿弥へと、この作品の成り立ちに際し、その道行を注目できました。興味を持って皆さんに受け止めて頂くことができました。2時から4時までの短い時間ですが、「今」というものの事のほか重いこと、また、重要なことを皆さんと共有できたと思います。過去、現在、未来、時の流れの中で、私達は今を選んで、今日、櫻別会に出会ったと感じました。
一瞬の繰り返しの今だからこそ、深くありたい。深い今の積み重ねの永遠を得たいと、そんな思いを持った櫻別会を開催できました。
櫻の花を落とした櫻茶に始まり、終演を、宮城県のお菓子とお煎茶を飲みながらの座談会で幕を迎えました。
松島の上演については、座談会で、今だからこその熱いご感想を頂きました。「踊りを見ているうちに涙が出てきました」何人かの方からお聞かせ頂きましたことを、深く心に刻みました。なぜならば、それは、震災にあわれた皆さんに送る思いだからです。
思いの力を、被災された地と、人たち、おこがましいことですが、私達の日本の将来に届けたいと思いました。本日の小さな見者は、八歳の藤波俊人さん、お母さまと参加されました。大人も子供も一緒に、情緒に向き合う時間と空間を持つことを大切に思いました。お手伝いに参加した若い方も、今日の感覚の積み重ねを大切に感じてほしいと思いました。小さな入り口の細道には、櫻の花びらのお見送りで「春風の花を散らすと見る夢はさめても胸のさわぐなりけり」西行。有り難うございました。
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by ooca | 2011-04-25 00:36
不条理を人はこらえて来たと思えます。乗り越えて進化してきました。
真実であるかどうかは、あとより現れる事実によって知れるものです。このことを今の日本で学びました。
歌舞伎のような、日本の伝統表現は人間のことに関して修養をつんでいるように思います。
日本の伝統を観賞するのみではなく、実際に着物を着、邦楽器の音色や間に心踊らせ、時に旅行く人物や伝説の人物となって、四季おりおりの自然を友にしてみて下さい。
情緒という感覚の世界は、今、学校教育にはありません。豊かに、「乾いた苔が水を吸うように学問を受け入れるのが、よい頭といえる」と、岡潔著、春宵十話(しゅんしょうじゅうわ)数学者によって、50年近く前に書かれています。
「今日の情緒が明日の頭を作る」
伝統芸能は、深いところで、世の中の役に立つことができると、はっきり意識することができます。

今月の團十郎師は、節電によって蝋燭のような灯りで、「太功記十段目」光秀を上演されています。
薄明かりのお芝居は、一層想像の空間へと。
想像の世界といえば、私どもの入り口の八重桜が満開、幻想的です。24日の櫻別会には、この櫻と共に皆様のおいでをお待ちいたしております。上演後、お茶と福島県のお菓子で皆様と座談会の準備を致しております。午後2時より。参加ご希望の方は、お電話にてご予約下さい。
090-8730-9129

今日も有り難うございました。
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by ooca | 2011-04-22 01:32
「高踏(こうとう)」という言葉は,現代では、あまり使わなくなりました。昨日は、舞踊会へ。第百回工藤会にうかがいました。名古屋御園座、朝10時から終演夜10時まで。私の好きな演目の一つ、常磐津「山姥」は、能、謡曲の山姥に基づき、歌舞伎舞踊にうつされました。この山姥の前に「しゃべり山姥」を上演され山姥物二題引き続きを拝見できました。しゃべり山姥は、金太郎の母がまだ金太郎がおなかにある時点のお話しです。山姥の方は、金太郎を産み育て、武士となるため、都に上るのを、母が見送る場面です。
しゃべり山姥の方は、歌舞伎の方では「こもち山姥」として上演されていますが、舞踊会では、珍しい上演です。珍しいのは、台詞や演技の面が大きな割合をしめて古典舞踊の大きさを要求される点、なかなか上演頻度がありません。近松の原作には大姫が出ていますが、今回拝見した演出では出ず、三枚目の腰元おうたが、シテ八重桐のしゃべりに、色を添えながら、観客の立場同様に受けていきます。面白い演出で、興味深く良い勉強をさせて頂きました。

【高踏】は、祖母たちが好んだ主義です。世俗に揺らがず、気高く処する身。
震災に遇われた方々に、この高踏さを、感じました。私たち日本人の誇りは、この高踏さもあるように思います。
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by ooca | 2011-04-18 16:47

覗きからくりですね

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「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」おくのほそ道の一文です。芭蕉は、お能のワキ僧のように旅をします。お能では、由緒ある地を訪れ、里人に出会います。そして、その地のいわれをたずねます。やがて里人は僧になんらかの問いかけを残します。やがて、後シテとして本来の姿を現します。亡霊となって現れた者は、話しをし、とむらいを求め立ち去ります。芭蕉も、諸国の歌の地を訪れ、古人の詩の魂にふれ、その霊を慰めつつ自己の詩への境地を磨いていきました。長い歳月をかけ、新しい紀行文学「おくのほそ道」を完成させました。
黙阿弥作詞、常磐津の名曲「松島」は、この芭蕉の心地で歌舞伎の劇作家が、旅人の目から、覗き見た松島に感じられます。私の好きな作品は、描かれたものの、内面と外面がひとつになってかぎりない想像へと導き、そのものの息吹を感じるような時空をこえたものに惹かれます。月日を経て、見続けた作品から、見る側の目が育つと、観客も演者と同様、創作家となり、なんら発見をする喜びを感じられるものです。松島には、黙阿弥から芭蕉、芭蕉からその先人の力を感じます。

昨日は、「丹羽喜郎写真展」に出かけました。明日までですが、お薦めです。アルミ缶レンズで針穴からのぞいて撮った【針穴写真】です。会場は、東桜会館ギャラリー。コマーシャルフォトのお仕事を引退され、好きな写真のみをを撮るようになられて益々興味深く感じさせて頂いております。
今回の個展は、針穴から覗いたモノクロの写真に、私小説のような、文学の一文がついています。丹羽さんご本人の遠い日のお母様の思い出だったり、旅先で目にしたものが、自身の過去をフラッシュバックさせているような個展でした。節穴から覗く光景に胸をわくわくさせている少年、丹羽さんらしい私の好きなな写真と文章でした。

覗く感覚というものが、深い心の中に近づいていくことを知りました。
なんだか素直な気持ちになれます。

ありがとうございました。
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by ooca | 2011-04-16 15:32

お知らせ

いつもありがとうございます。今日の中日新聞の夕刊と19日の日経新聞朝刊に、24日の「櫻別会」のご案内を載せて頂いています。名古屋版の紙面だと思います。櫻別会は、年三回のお稽古舞台での小さな催しです。私の上演と演目解説、終演後、座談会の時間を持って皆さんとの歓談を楽しませて頂いています。今回は、阿部一恵解説です。市川りきと、東北の古地図から、「松島」の詞章を確かめながら、日本の風景に迫ってくれると思います。
私も、大切に心を込めてー。
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by ooca | 2011-04-16 08:21

咲きました。

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お舞台の、板と板の間に隙間が出来てきました。所作舞台は皆さんどこも大切にされています。昔あるところでは、三升ほどもお舞台にお酒を飲ませたというお話しを伺ったことがあります。飲ませたというのは、拭いたということですが、舞台を慈しむ気持ちで、確か戦後にさぁやっと舞台をという特別な思いのお話しだった気がします。よく聞くのは、お水に牛乳を落としたり、豆乳なども聞きました。糠で拭いたりはしましたが、今日伺った、フライパンで煎った糠で拭くということは初耳でした。昔からいろいろに工夫をしながら、黒光りの舞台に憧れ、年月を一緒に芸に向き合い、自身の立つ姿を舞台にうつすことができましたら、どれほどな思いになるのでしょう。舞台の木と一緒に生きてきたという感覚でしょうか。舞台の木には、塗料は塗りません。傷はつきやすいのですが、伸びたり縮んだり自然に合わせます。傷もついたら湿らせると木が膨らみ傷もちょっとは治ります。そういえば、扇の緩みを少し湿らせて調整される方もいられます。移築され名古屋には、なくなってしま
った熱田神宮の能楽舞台も黒光りに、鏡板の松がうつり込んでいました。坪内稍遥フォーラムでの「お夏狂乱」「良寛と子守」の上演で初めてこの舞台に上がらせて頂きました。暖かな感触は忘れません。
今日、入り口の八重桜がひらき出しました。老木ですが満開時は毎年見事です。花びらの散り方も、特別に思えてしまう程、見事です。今年も一年頑張りましたね。と、桜に向かい、毎年「大向こふ」をかけています。今月24日開催の、櫻別会は、満開です。
小さなお稽古舞台の催しです。終演後は、皆さまとトークを予定しております。「松島」を上演させて頂きます。

今日も有り難うございました。
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by ooca | 2011-04-13 00:02
 血のつながりのある人との関係は不思議なことに、亡くなってから、一層近くに感じられることが多いように思います。
それとは別に、先生、恩師、気にかけて下さった方々に、近さといった感覚ではなく、その方と私との間で共感したことや、頂いた暖かな思い出が立体的によみがえり、随分昔のことなのに、スクラップブックから立ち現れるような感じがします。
それは、子供の私から、若い時代の私、つい最近の私まで、体ごとで、伝えてくださった熱意の感覚そのまま。優しく教えてくれた時、悲しんでくれた時、何か言いたげな顔、おもいっきり怒って頂いた感触、見守って下さった様子、どれも私にくれたお顔、何のお返しもできないままに一生のお別れとなってしまったことを、本当に残念に思うのです。また、お会いしたい。あの時のお返しいつ出来るのでしょう。
でも最近気づきました。忘れない思いは、次の方々にお渡しする大きな力になると、なんとなく理解してしまうようになりました。沢山の方への感謝は、次の方々へお渡しすることによって少しは報いることが出来るように思います。
震災に会われた皆さんの数々の思い出、大切です。生きる力だと本当に感じます。

ここのところ大好きな常磐津のお師匠さんお弟子さん方々とお花見に。「あと何回お花見ができますかね」と。京阪電車の八幡駅、木津川沿いは盛大な桜並木で圧巻でした。駅近くに、謡曲、弓矢八幡や常磐津、うつほ猿に関わる岩清水八幡宮も、ロープウェイで7分ですが、昔は山を登って参拝してたのでしょうから、いかに信仰心と、そして脚力の強さがあったことかと思いました。
日本人は、神仏を融合し祈りを捧げ、その教えは、自然を畏敬し、かつ、草木に仏を唱えた。
優しい祖先を思う一日でした。
お花見では、いつ頃に東北地方へお見舞いに行けるだろうかと話しに始終、我々の出来ることは、やはり、常磐津「松島」を演奏し、踊り、たくさんの悲しみを、ご先祖の音色に包んで、元気になって頂く一端になることと、大先輩から。そうです、必ず伺いましょう、と。準備にかかることと約束いたしました。

 
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by ooca | 2011-04-11 17:55

むすめ歌舞伎OBへ

祇園甲部歌舞練所へ向かうタクシーの中です。都おどりの本日、津賀寿さんの出演に間に合うよう走ってます。先月26 27日、お陰様で、無事公演がすみました。
朗読的な語りと長唄、台詞と、弁慶富樫義経の演者。皆、四回の公演を頑張りました。再演を、8月にとお声をかけて頂きました。懸命にしか方法はないという状態は変わらず継続しています。
何かと大変なのも変わらずですが、皆さん、元気でね。
いつも私達は、沢山の素晴らしい方々の力を頂いています。今回も変わらず、有り難うございました。
道は混んでそうです。帰りには夜桜を目にやきつけて。
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by ooca | 2011-04-09 17:02