市川櫻香の日記


by ooca
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走りながら

走りながら、創っていくことでいい、それでいいんだよ。と、ある人から【櫻と鐘の時】や【市川櫻香の会】、そして【むすめ歌舞伎公演】の、この毎年の動きに対し、暖かな感想を頂きました。
日本の伝統芸能っていうのは、どうなってしまうのでしょうか。だから走っています。
走りながら、完璧を求め、しかし不完全であり、そのことを恐れない、むしろ、そうあるべきと考えていることを、理解されていると知りました。自分の成長とともに、作品も深まっていきます。社会の中で貢献できることが、沢山つまっているのに、そのことを伝えきれていない点が未完成な点なのかもしれません。
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by ooca | 2012-02-29 01:54

櫻と鐘の時〜

采配をふる、まといをふる、ふる、ふるというのは、指揮する者の行為です。私達は皆、誰もが、自分で自分に指揮をしています。「がんばれ」。という次第で、第一回【櫻と鐘の時】を発会します。 このネーミングは、早稲田演劇博物館の元館長、国文学者の鳥越文蔵先生が、名づけてくださいました。
震災後の私達には、勇気と希望を持って進むことは宿命です。この会の名の、櫻も、鐘も、新たな旅立ちにふさわしいものです。私達が学んでいる、日本の伝統芸能、その力は、先人の優しい心がつまったものです。優しく、強く、楽しく、生きていくことを、教えています。
自分の心もちこそ、自分に返るものには間違いないのですから、今を粗略にせず、この時代を、皆さんと一緒に生きて、笑い泣き、考えることとなったら、と。
名古屋能楽堂のあたりは、櫻の美しい場所です。
どうぞ、沢山の皆さまのお出かけをお待ちしております。
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by ooca | 2012-02-26 12:30
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4月7日(土曜日)名古屋能楽堂『櫻と鐘の時』公演のチラシができてきました。会場の能楽堂付近は櫻の見どころです。お花見とあわせて、ぜひ、どうぞ。『鐘の岬は』娘道成寺の内容を、凝縮した、幽玄な趣きのものです。女性の嫉妬、執着の作品と伝えられていますが、女性とは限りません、人間の執心から、解き放たれる、【その時】を描くことが願いです。震災以降の心の変化は、今まで、ぼんやりしていたところが、徐々に見えてきたような感覚です。
鐘に対して、祈り、願いをかけ、鐘をつく音に、苦しみを浄化させていく。私は、櫻の、咲く前の櫻の木の枝に、いとおしさを感じてきました。鐘も櫻も、音の鳴る前、花の咲く前こそ、高鳴る鼓動と、力を感じます。
『八島』は、謡曲の八島からとったものです。西国行脚の僧が、春の日に見た夢は、さらに、この道を、進まずにはいられないような夢でありたいと思います。他に、狂言、佐藤融氏、井上靖浩氏の『鐘の音』と舞踊市川りき他の『松島』。能楽、藤田六郎兵衛氏の出演。

午後2時半開演、全自由席4500円
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by ooca | 2012-02-14 00:30

ドナルド・キーン先生

名古屋御園座の動向が、気になります。名古屋の誇り、歌舞伎の殿堂を守って100年。私も、あの地からたくさん学んできました。誇りある御園座。名古屋の人は、御園座に、誇りと憧れを持っていました。ドキドキ、ワクワクしながら、たくさんの歌舞伎を見せていただきました。私にとり、大切な場所です。

誇りや憧れといえば、少し前の人たちには、美意識という美のモラルがあったように思います。この美の感覚による、モラルを持った人たちは、このことが生き方に関わることでした。一生を、そのモラルに捧げるような生き方や、そこに関わりを持って生きることを、誇りにし、喜びとしていました。憧れも、それらの人の、生き方に対して、向けられました。いつから、変わったのでしょうか…。様々な形の美、考え方の美、日常の所作の美、美しい流れをコントロールしながら、継続する美。
昨日は、ドナルド・キーン先生の講演。
キーン先生に、私がもっとも触れたかったのは、文学や芸能を理解される先生の視点でした。実際の先生からキーン先生の美意識を感じたいと思いました。
想像以上。明大豊田講堂一杯に、先生と場が一つになり、その優しさが広がっていくようにさえ感じました。
キーン先生の前に、鳥越先生から『日本文化における芸能』の貴重な講演で、キーン先生の歌舞伎評論、『曽根崎心中』にふれられ、西洋から見た歌舞伎として、キーン先生の興味が伝えられました。シェークスピアやアリストテレスの作品では、地位の高い、王様や、貴族らが主人公であるのに、『曽根崎心中』は、地位の低い人物が主人公になっている点を注目されていました。対比することで、際立つことに、目を向けられ、人間は弱いという点を、いとおしむ近松に、先生の美意識が触れていました。曽根崎の主人公、お初、徳兵衞の二人は、道行になると、それまでは、決して尊敬を得ない人物だったが、背丈が高くなっていく、と、評されていました。背がのびたというような、表現は、自身に置き換えていく視点に思いました。実際キーン先生は、若い頃に、日本の伝統芸能を習ったり、実演をされています。人物の内面が広がっていくことを、実際に感じる基礎をお稽古の中で習っていったのです。道行にいたっての近松『この世もなごり、夜もなごり…寂滅為楽』。生きるものの宿命は
、生まれて、その日から、死に向かいます。足元に咲く草花を見つめていく近松とキーン先生。
日本の美意識に憧れ、生涯を捧げ、いとおしくされてこられたことを、よく理解できました。忘れてしまいつつあるもの。憧れと誇りです。
私が、このようにあるのは、これまでたくさんの誇りを持った人たちから教えを受け、丁寧に教示されたことが基礎になっていると。あらためて有り難さを感じます。なかなか、思うところには、いきませんが。
キーン先生有り難うございました。
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by ooca | 2012-02-12 09:48

昔に戻していいもの

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御園座のロビーに、明治30年の御園座の写真があります。
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by ooca | 2012-02-07 10:43

昨日と公演のお知らせ

昨日の座談会は、村上信夫さんの、「人に寄り添う言葉」について、これまでのラジオでのお仕事から、たくさんの、心に響いたことを、うかがいました。
村上さんの放送番組、ラジオビタミンは11年間続いています。番組の中の、なにげないやりとり、ある時、何かで「しかたない」とつぶやく、その言葉の、あたたかさから、元気をもらった人のお話をうかがいました。私も、今、この言葉を有難く感じました。「しかたない」という言葉が素敵である場合と、そうじゃない場合、時と場合によることはもちろんですが、言葉の力は、その時までの、すべて、このすべてをともにして、成り立っていくところで、ようやく、心のこもった言葉になることを感じました。
気がついたら、村上さんも私も、初めてお会いしてから、少し遠くへの旅をし、昨日は、旅の途中で、「久しぶり」旅の中身をわけて頂いたような感覚でした。
さて、いよいよ、4月9日(土)、名古屋能楽堂「櫻と鐘の時」公演を実現します。
公演の主題は、タイムトゥセイグッドバイ=Time To Sai Goodbye 、イタリアの歌手、アンドレア・ボチェッリの代表的なオペラティック・ポップ「コン・テ・パルティロ」が、イタリア語から英語に変更され、1996年サラ・ブライトマンと共演、クラシカル・クロスオーバーとして、ヨーロッパで爆発的にヒットをした曲だそうです。
先日、御招待頂き、彫刻的な生け花、ダニエル・オスト氏の記念の会に、ベルギー大使館へ。そこではじめて聞いた歌です。ゲストのオペラ歌手の方が歌われ、歌詞の意味は分かりませんでしたが、勇気と希望を深く胸にすることができました。ご一緒下さった方に、歌の題名を聞き、直訳すれば、「さよならを言う時」と知りました。さよならの向こうへ、共に旅に出よう、この旅は、新たな門出、見たことにない航海が待っている。勇気をたたえ、希望への旅を祝福するエネルギーに満ちたものです。前に歩く勇気を頂いた思いで名古屋に戻りました。

4月7日の能楽堂は、この時の気持ちそのままにこめ「櫻と鐘の時」となりました。
伝統の曲をどう感じ、とらえていくかを、一切に考えないことも、ありましょう、また、今回のように、現代に生きる者の思いをこめて、今と伝統を混合させていくことも、一つの表現と思い、臨んでいく決断をいたしました。

<櫻の散る時、鐘の鳴る時、私達は、決断や勇気や希望とともに、願いもかけます、それは、新しい旅に向かう瞬間です>

当日の開演は、午後2時半、一回公演です。
今回も、藤田六郎兵衛さんが、心よくお引き受けくださり、狂言の、佐藤融さん、井上靖浩さん、邦楽演奏に、古曲、荻江節萩江露秀さんはじめとする、荻江の皆様。最後に、この公演の主題をどのように心にとどめるか、村上さんと、計画をたてています。
春の日のひとときを皆様と心にとどめての、舞台です。たくさんの方にお出かけ頂けますように。
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by ooca | 2012-02-05 11:07

大雪や大雪

明後日、村上信夫さんの「言葉〜どうつかえば、心のこもった言葉を使えるの」10時から12時、お稽古場で催します。
皆、お稽古に一生懸命です。ちょっと書きとめておきます。
新しい小さなお弟子は、2月4日から、御園座花形歌舞伎、夜の部の白浪五人男の、丁稚をつとめます。
小さな人たちといえば、アイカブキ11期さん、今月修了発表会を迎えます。従兄弟の小さな、みくりさん三歳が、初デビューしました。宙人さんがお兄さんぶりを発揮しています。
昨年、むすめ歌舞伎公演で、鳶奴、手習子、羽根禿を踊った、小学生の、俊人さん、真里さん、響子さん、皆お稽古熱心で、身体が安定してきました。
付け焼き刃では、どうにもならない。そういうことを、なんとなくわかってきたのでしょう。
自分に愛情をかけて訓練、お稽古。外から見ていると、ひたむきさが、人のかたちを作っていくように感じられ、気持ちのよいものです。自分の生涯を通じ、自分をつくるために使う力を、こんなぐあいに作っているわけです。
大人の皆さんも、日々、お仕事とお稽古を、コツコツ重ねています。
りきさんは、以前、「櫻香の会」で上演した新作、「海道下り」のお稽古にかかります。
阿朱花さん、泉鏡花の日本橋、朗読のお稽古の準備をはじめました。実は、昨年の勧進帳も、千花さんと、二人、連日のお稽古で、手探りの過程が、濃い時間となっていきました。大きな収穫でした。人間としても、実になりましたね。最後は、支えてくださった皆さんの力で出来上がりました。大人も子供も、それぞれ感じていくものがあったようです。
舞花さんは、相変わらず、お芝居、歌の舞台にとびまわっています。彼女は、音大で、声楽を学んでいた時代にお稽古をはじめました。優しさをとことん磨いています。
高校生の、香奈さんは、昨年の宗次ホールの弁慶後、受験勉強に専念し、南山大学合格、お稽古再開。菜月さんの富樫で、朗読様式「勧進帳」も、やはり実になりました。勧進帳から、年代に応じ学ばせて頂いた一年でした。
菜月さんは、高校2年生です。変わらず、コツコツお稽古場通いで、どんどん集中しています。様々な自分を試していくことは、自分を否定することも勇気をもって、迎えることです。菜月さんと靖子さんを見ていてわかります。
「人間をつくる以外のところに、人間としての仕事はない」と、誰かの言葉通りです。文化や知識、教養それは何のためにあるかといえば、自分を磨くことのためですね。
お稽古場に通う、皆さんから、学んでいます。
神戸のお稽古も、少しずつかたちになってきました。ほんわかとしています。楽しみです。

最後に、土、日は、山に行ってしまう、あやさん。今を歌舞伎は伝統を通して表現しています。今その時のためにお稽古しています。

うまく伝えられませんが、皆さんと歩いていることを幸せに思います。
雪の日のお稽古場の入り口は、ちょっとした墨絵の世界です。
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by ooca | 2012-02-02 09:20