市川櫻香の日記


by ooca
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<   2014年 08月 ( 7 )   > この月の画像一覧

表現の力

物真似も大切な過程。
真似るだけ真似て、目覚める時がきたら思い切りやりなさい。目覚めるというのは、気づく時のこと。
若い頃に、こんな激励をされて育ちました。

さて、隅田川の舞台も迫って参りました。
「思いがけない親子の別れを
物真似しては、いけない」
隅田川の上演を決めた時に
強く思った事です。
しかし、自身に経験したことや、感じた事実は、表現の重要な部分になっていきます。

人が、思いもよらぬ状況に陥った時、どう伝えていけるのでしょう。
隅田川の母は、和歌にたとえて懇願します。それも、恋の歌です。愛する者への思いは人の共通した感情です。
母は、子の行方を探しながら、こんな事を感じています。「聞くや人々、上の空なる風なりて」

いつしか、悲しみが怒りに変わります。鬱とは、閉ざされる事態におきるものです。

人商人に愛するわが子をさらわれた母は、「こんな事がおきているのを、貴方は、見過ごすのですか。今、私達の社会で、こんな事が許されていていいのですか」
つけ加えるならば、「嫌悪の精神を持ちなさい」

芸の中に、精神がたち現れる時、物真似ではなくなるその時ではないかと思います。
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by ooca | 2014-08-27 09:40 | 櫻香のつぶやき

おめでとう

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アイラブかぶきの二期生、当時小さな可愛い小学生だった女の子が、本日、熱田神宮で御結婚。お式に、参列させて頂きました。
ご両親にも、久しぶりにお目にかかりました。彼女が、小学生の時、アイラブ歌舞伎を新聞記事でみつけて、「アイラブ歌舞伎に行きたい」と、お稽古に通うことをお願いしたそうです。それから、彼女は変わりました。と、お母様が、懐かしそうにお話をされました。
その後、海外留学も経験し、海外で歌舞伎を伝えてくれました。
私への結婚報告のときには、とても嬉しくて、本人も私の大喜びに驚いたようです。
本当におめでとうございます。
優しそうな旦那様、不思議です、お二人が兄弟のようにそっくりさんでした。
お見送りに、白無垢姿で「お稽古うかがいます!」こんなときにも、いつもの「お稽古うかがいます!」ちょっと涙もろくなりました。
嬉しくて、しみじみとなっています。

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by ooca | 2014-08-25 17:16 | 櫻香のつぶやき

やさしい

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by ooca | 2014-08-18 09:48 | 櫻香のつぶやき

しんみりとしたものがそこにあるのみ。
隅田川についてこのように語られています。
しんみりというものは、善を感じる中の
ひとつに思います。

子をたづねる母の思いとはうらはらに
わが子の行方を問えども、道行く人は
誰も、上の空。
都から、ついには、東の果てまで
たどりついてしまった。

目や耳は、心とひとつ、もし、話を聞く相手もいなければ、私も、流れる川に、飛ぶ鳥に、問い続けていくでしょう。
水は、子の行方を教えてはくれませんが
その姿に癒されもし、また、闇に沈めることも。

本日、一巴先生の訃報を受けました。
先一昨日、先生からお電話を頂いたばかり
でしたので、本当に驚きました。

先生からの最後のお電話は、31日の
隅田川に行かれないこと
来月は歌舞伎座のこと
お体はいかがですか、との問いに
「どっこも、悪くないんだよ」と。
能楽堂での上演も
ご意見をうかがい、さまざまお話を。
哀しみと寂しさを感じます。

長い間、有難うございました。
ごゆっくり、おやすみください。


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by ooca | 2014-08-17 23:43 | 櫻香のつぶやき

イラストになりました。

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イラストレーターの佐藤正明さんから
頂きました。
似てると、誰もが笑います。
私も似てると思います。
感謝。
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by ooca | 2014-08-11 14:47 | 櫻香のつぶやき

さまざま。

「原始、女性は太陽であった」平塚らいちょうの産んだ言葉です。らいちょうは、言霊を産む作家であり女性参政権の活動家でもあった。『せいとう』という雑誌を作り、これまでの女性達を解放に目覚めさせた。しかし、戦時中には、母性を国家につなげ、戦争を後押ししてしまった。同じく婦人活動家の市川房枝氏も、戦時下、弱肉強食の社会姿勢を受け入れ、消極的にしろ、やはり、戦争を後押しすることになっていった。いつの間にか、国家にからめとられていく。悲しいかな国策協力により、婦人の地位をあげていくことになっていった。と、市川房枝は話す。婦人参政権をもらったのは、戦争に協力したからだとも、市川房枝が反省とともに語る。新しい女性の地位は、戦争協力により得られたのだった。男達の一代主義を、女達は許してきてしまった。
そして、その暁、3.11。
以降、私達は何をしてきたか。私達は、諦めている暇などないこと。一生がそれほど長くはないことを、らいちょう、市川房枝は語る。反省が、二人をその後の活動に向かわせる。子供を産まなかったが、すべての人が私の子供である。と、上野千鶴子氏と田中優子氏。人類に対して、私達は、責任があるのです、と。同じことを、愛知尼僧堂の青山俊董氏が私に語られた。
昨晩の、田中優子氏、上野千鶴子氏のNHK「日本人は何を考えてきたか」は、何を考えていくのかを問う番組でした。

先日、中日新聞の女性記者の方に取材を頂きました。『隅田川』公演についてを話しながら、話題は、能楽も歌舞伎も男性により、その形が今に伝えられ数々の感動の名作を引き継いでいます。
その中に、私達が型や形を通しそのお芝居に向き合う時に、意識的にではなく、自然に女性の姿態から、これまでの歴史的な環境に伴う風情が、閉じ込めておくことの出来ない、本当に意図してではなく現れてしまう時、ふと、疑問がわきます。違和感の時もあります。時代と性別の違いも関わりがあるのかもしれません。そこにボーダーを感じます。不安定なものです。素晴らしい表現者の方々は一切考えを持たないことでしょうが、私は敢えて知りたくなります。
男女の差なく、古今東西を問わず世阿弥の息子、元雅の描いた隅田川の世界は、社会という偏狭をさらし、論理より人が持つ情緒との対話に、私達は、様々を察していくことになります。
冒頭の市川房枝氏は、中日新聞の記者をされていました。
本日、中日新聞夕刊に隅田川の取材記事見て頂けるかもしれません。是非御覧になってください。
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by ooca | 2014-08-11 08:48 | 櫻香のつぶやき

隅田川、名作の中へ

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大切なこと。
元に戻り、手繰らせて頂いてます。


「聞くや人々、如何に、上の空なる風だにも」
躁鬱になることは、話しを聞いてもらえ
ないことが原因です。
隅田川は、狂女と呼ばれています。
憐れみさえ受けず

むしろ、渡守に、「面白う狂へ」とまで
言われます。
しかし、狂女は、和歌
にたとえ子を探す思いを伝えます。


いざ言問はん都鳥、我思ひ子は、
ありやなしやと


この度の「隅田川」では、初めての試みが
沢山あります。
渡守をなさって頂く
能楽の高安氏「こういった経験は初めて
のこと、自然、いつもと変わっていきます」

狂女から拝見する高安氏の渡守は
中世の闇多き時代に、渡し場の、様々を
見てきた、暗黒ささえ感じます。

人さらいの横行していたことを、この作品は
伝えています。渡し場では、数々の悲惨を
見て見ぬふり―をした人々も.あったと想像
されます。


見て見ぬふり。生きていく為、自分を守る為…。しかし、思いは強く残ります。

この作品に、人々の懺悔を感じます。


悪は、自分の都合です。その事を詫びながら、自暴自棄になりつつ、人を騙していく。
悪とは。

やはり、名作です。
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by ooca | 2014-08-06 10:34 | 櫻香のつぶやき