市川櫻香の日記


by ooca
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始まっていくこと

二十年程前、東京の文化財団の方々のお引き合わせで、当代の三津五郎さんに初めてお目にかからせていただきました。歌舞伎のこれからや、お弟子さんの勉強の場をつくっていきたいことなど、勢いよく、しかも明晰に話されました。
その時の印象は、その後も変わらず、そのまま舞台の三津五郎さんでもありました。伝統芸能は、伝承芸能であることを話されていました。伝承は、人類愛に結び付く大切なことです。決して芸能者のみの公用ではないのです。今、私たちの環境は、優れた伝承者を重んじる社会とは思えません。
心と体と哲学は、これから本当に必要な時代になっているのに。
三津五郎さんの老いの姿、年を重ねてこそ到達し得る美しい姿を拝見できなかったことは、私たちにとり大きな損失に思います。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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by ooca | 2015-02-24 13:18

本日、歌舞伎の日

出雲の阿国さんが、江戸城で将軍徳川家康や諸国の大名の前で初めて「歌舞伎踊り」を御披露した日、今から408年前の2月20日のことだそうです。
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by ooca | 2015-02-20 10:05

〔八島〕

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830年前の今日、義経一行は、屋島に攻め寄せます。
平家は、八島から志度へ追い落とされ、海上に逃れていきます。
平家物語は琵琶法師により語り継がれました。その発端、書かれたいきさつが徒然草に書かれています。
「後鳥羽院の御時、信濃善司行長、稽古の譽ありけるが、楽府の御論議の番にめされて、七徳の舞をふたつ忘れたりければ、五徳の冠者と異名をつきにけるを、心うき事にして、学門をすてて遁世したりけるを、ある和尚、一芸あるものをば下部までも召しおき、不便にせさせ給ければ、この信濃入道を扶持し給けり。この行長入道、平家物語を作りて、生佛といひける盲目に教て語らせけり」(日本古典文学大系)
写真は、荻江による〔八島〕です。藤間藤子先生の振りを、藤間蘭景、蘭黄先生からご指導頂き踊らせて頂きました。
武士の事、特に甲冑をつけ、弓馬のわざを表現しながら、もののあはれに向かい、儚さの内へと導かれていきます。

この日はいつも、曇り空です。

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by ooca | 2015-02-19 12:34 | 未分類

花→夢→月

先日むすめ歌舞伎にご出演頂く、仙波清彦さん、吉住小三友さん、黒御簾を御監修頂く鳥羽屋三右衛門さんと公演の曲、音についてお打ち合わせをさせて頂きました。
新たいさんふくん(泰山府君)は、以前、能楽の謡い本で読んだ世阿弥の作品です。詩人の村瀬和子先生からは「泰山府君は、閻魔様のことよ」「花が長く咲いている年は、作物がよく育つといわれてきたのね」「お月様に雲がかかった一瞬に桜の枝にふれる衣」と、先生の優しいお声でこの物語を話してくださいます。私はいつのまにか先生の世界へ、そしてそこから、私の世界である、歌舞伎へ創造を持ち込んでいました。このお話し、子どもの頃に見る夢の物語のようです。過去、未来、現在ではない、今、今日この時その一瞬の美しさを大切にすることに気づかせてくれます。
〈春風の花を散らすと見る夢はさめても胸のさわぐなりけり〉この西行の歌にあるように夢とは、現実を深めていくものかもしれません。
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by ooca | 2015-02-18 00:32 | 未分類

2月は雫

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雫が、陽の光にきらりと
妖精の誕生のようです。
朝から、3月のむすめ歌舞伎公演のお問い合わせを頂いております。演目の【新たいさんふくん】は、能を大成した世阿弥の「泰山府君」を元に構成しました。
先頃、書き下ろされた、渡辺保氏の「身体は幻」の本の中に、能を土台にして成立した歌舞伎について書かれています。
〈能が「つづれの錦」といわれ、そこに引用、挿入、そして意味の転換を含んで、二重三重の劇的技巧が凝らされているように、歌舞伎の舞踊台本も、いい加減につくられているようで実は油断できない。そこには、原作になった物語、挿入された流行歌の風土、言葉の記号的な転換によって、デジタルかつアナログな深い意味をかくしているのである。〉〈歌舞伎が、より深い舞踊台本をつくった世阿弥の手法そのままなのである〉
能に居クセというところがあります。歌舞伎はこれを取り入れ、主人公が状況や心情を所作を伴い真実に触れる場や、劇的な物語の場面にしました。能でも、歌舞伎でもここに、役者、主人公の魅力が放たれています。
このような語りは、舞、踊ると併せ日本の面影を心の底から引き上げ、物語を広げていく言葉の力が軸にあります。言葉は、1つの文字に対して多用なルビがあるように、その始まり、または、相対をからめながら、深い深い奥の底をのぞくような創造をしなさいーと教えています。私達には、日本独自の創造を生み出す方法がまだ残されています。
この本の最初に、日本人の身体観について書かれています。身体観が単に体そのものではないこと〈心の働き、精神全体であり、それを囲む世界との関係にあるに違いない〉と。
歌舞伎や、舞踊を教える仕事をしながら、身体の魅力を発揮することを求めていくことがどれ程大きなことか、私達はせめて今お伝えできることから、私も学びながら、日本のやさしい心をなくさないようにと願っております。

【新たいさんふくん】子ども達に、日本の残したい美しい(思い)をお伝えしたいと思います。
どうぞ、宜しくお願いします。
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by ooca | 2015-02-09 13:25 | 未分類

YouTube「玉兎」

昨晩、清元志佐雄太夫の語る玉兎を
聞きました。
玉兎の後半にある歌詞と曲、節、何より
志佐雄先生の温もりのある独特な【芸】
なんと言えば良いのでしょう、先生が逝かれ
てから、先生のことは益々懐かしく
突然のことでしたからもっとお話しを
うかがいたかった…と
未々お別れが受けとめられないのは、私ばか
りではないと思います。
YouTubeから突然、志佐雄先生
の心踊らす唄が流れ、何度も聞きました。
思いがけなく耳にし
この世にいらしていないと実感。
皆様YouTubeで是非お聞きください。
偶然にも昨日は先生の月命日でした。
「縁起」という考え方があるそうです。
縁起というのは、さまざまな存在の多様性が
全部関係しあい、さまざまな縁が、物質的な形
はなくなっても忘れ去ることはないので
何かが残っていく。このことは、孤独に
思う時を強く優しく支えてくれます。
玉兎の後半の「お月様さえー」を聞いていると
〈色は空、空は色、時なき世へ〉団十郎先生の
句まで思いだします。

芸と芸道の道は、自由になる方法を
学んでいるのです。そのことは、嘘はいけない
ことをまず教えていると思います。
存在の本質を問うのは、単純なことに向かっ
ていくためにあるのです。型や修養も自由にな
るためにあるのです。西行や、世阿弥
利休や近松や芭蕉を感じながら、そこに溶
け込んで日本の文化と深くかかわって
いくのは日本の伝統の生きる方法です。

その方法を知るには、大切なことがあります。
素晴らしい導き手に出会うことです。
文化は、社交や収入事業の為の方法では
ないことをもっと知って頂きたいと思います。

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by ooca | 2015-02-07 08:46
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今月28日、【音で聞く歌舞伎】東京二子玉川surugabankでの歌舞伎の催しに参加されます。阿朱花さんは、むすめ歌舞伎公演で、鳴神、外郎売、義経千本桜と大役を勤めてきました。今回、山崎さんからお話しを頂きました。きっとむすめかぶきらしさを彼女から感じて頂けると思います。むすめかぶきらしいーというのは、言葉でお伝えがうまくできないのですが、この3年程、りきさん、阿朱花さん、舞花さんと、歌舞伎の名作を研究しながら上演を積み重ねてきました。私もお陰さまで、愉しく勉強をすることができました。結果〈むすめかぶき〉らしさをごく自然に感じていく事となりました。
阿朱花さんは、昨年ご結婚され千葉県に住んでいます。月に三回名古屋へお稽古に来ています。彼女が素敵になっていくのを身近にしながら、お稽古場の桜の木を思います。若い頃は、強い色の花を咲かせていましたが、徐々に花の色が変わって、ある時期から、全体を包むような色合いとなっています、桜の花のように阿朱花さん達を見ることも舞台をご覧頂く楽しみにして頂ければーと。
2月の催し3月のむすめ歌舞伎【たいさんふくん】皆様どうぞご期待くださいませ。

しかし、山崎さんは、不思議な方です。
6月名古屋で【山崎さんと歌舞伎の魅力を探る】を計画中です。
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by ooca | 2015-02-03 12:00 | 未分類