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市川櫻香の日記


by ooca
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技術は繰り返しが好き

昨日は、今秋行うむすめ歌舞伎公演の演目の一つ『義経千本桜ー四の切』に静御前をつとめる方の、お稽古で教える側の立場から、学ぶことがありました。こういったことは、珍しいことではないのですが、忘れないでおきたいと、そのつど思います。
歌舞伎の登場人物は、舞踊所作が下敷きにあります。この下敷きは、本来、その場に生きている人物の基礎身体です。ですから、ごく自然に、、ごく歌舞伎的に生かしていくことで、人物がきっぱりした大きさとなり、そこにリアルがあらわれます。
台詞もまったく同様です。歌舞伎の台詞は、浄瑠璃という、三味線との息合いで得る技術が、下敷きになっています。舞踊も浄瑠璃も、お稽古によって鍛えていきます。
歌舞伎は、人間の生きている、より強い実感に生きるものです。そのことを確かにするのは、呼吸です。この呼吸の使い方を研究すれば、歌舞伎の人物が、さまざまな喜怒哀楽を、ほとばしらせながら、いきいきと、あらわれてきます。演者は、生きている実感をより強く受け、感動を自身に自身で、与えながら歌舞伎の人物となっていくことができます。
芸能というものの、『祈り』の根元をお腹(なか)に入れていることが、歌舞伎のすべてだとあらためて思ったお稽古でした。
by ooca | 2012-08-30 06:57