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市川櫻香の日記


by ooca
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傀儡師<kairaisi>という演目について

  鑑賞の手引き・・・

傀儡師というのは、街頭芸人の人形まわしのことであります。
この人物の登場する、清元の唄い出し
   
 清元:歌詞 「竹田の昔 囃(はやし)ごと 誰(た)が 
                       今知らん 傀儡師」
    
   字句解釈 
     
   この<竹田>とは、竹田近江の人形からくりの芝居である。
   初代の竹田近江は、阿波の生まれで、江戸で暮らしていた
   が、ある日、浅草観音に参詣(さんけい)し、その帰途、子供
   達が、砂遊びをしているのを見て、砂時計の工夫をした。
   それから京都で、からくり人形を作り、万治元年(1658)
   に、それを朝廷に献上し竹田出雲の名を受領し、翌年、名を
   竹田近江と改めた。そして、寛文2年(1662)に大阪の道頓
   堀で、初めてからくり人形芝居を興行した。
   二代目出雲(初代近江の孫)は、宝永2年(1705)に竹本座
   の座元となり享保の頃から、座元を兼ねて浄瑠璃(じょうるり)
   の主作者となり「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」
   「菅原伝授手習鑑」など名作を作った。
   その竹田の芝居の中には、傀儡師の人形からくりもあった。
   宝暦の頃から大道芸人の傀儡師はいつとはなく姿を消し
   この曲の文政時代には、もう見られなくなっていた。
                <傀儡師:日本舞踊全集より引用>

   日本の人形劇史に普及の名をとどめる竹田氏の系譜は
   17世紀に、からくり芝居を創案した竹田近江に始まる。
   続く初代竹田出雲は、大阪に竹本座を創立、今日の文楽
   の礎を築いた。
    <竹田氏時歴 文学博士 河竹登志夫(平成10年)>

     
 清元 歌詞  「小倉の野辺の一本薄(ひともとすすき)
             いつか穂に出て、尾花とならば
                          露が妬まん恋草や」

   
    傀儡師がこの部分を、唄ったそうです。
    恋を語るところへ、お話がいくわけです。

   まず、恋心から、恋が深くなっていき、と語られ、四海波
   
   子宝に恵まれ、三人兄弟のお話。

   長男は、鷹揚に、父の前でも懐手、女色の道楽、
   
   次男が背が高く堅物で、三番息子は色白で
   
   寺小姓にやって吉三郎と呼んでいる。

   これより、お七と吉三郎の恋話。

     
 清元 歌詞 「恋という字の書き初めを
              湯島にかけし筆茅花(ふでつばな)」

   この部分h、お七が11歳の時、書き初めの額を奉納し

   たことと、その筆跡がまだ幼いことをいっているそうです。
  
   振りもそのような気持ちのままに付けられて、可愛らしく

   なければなりません。


   さて、次は、がらりと変わって

 清元 歌詞 「其処らへ、ひょっくり弁長が・・・」

   と、チョボクレとなります。

   チョボクレというのは、木魚、あるいは鈴、花錫杖をもち

   拍子をとりながら、卑俗な唄を早口に、読経のように

   うたい生活する者のことです。


 清元 歌詞 「これはさて置き・・・」

   と気持ちを変えて、牛若丸と浄瑠璃姫の恋話。

 清元 歌詞「矢矧の橋は、長けれど、
             逢うたその夜の短さよ・・」

  端唄で、軽くのりながら、次の合戦に急展開となり

 清元 歌詞「うらみつらみも 波の上・・」

  舟弁慶となり

 清元 歌詞 「そも そも これは 桓武天皇九代の後胤
          平知盛幽霊なり、ああら 珍しやいかに
              どうで、義公  娑婆以来」
  
  義公は、義経をふざけて言ったものです。
  
  娑婆以来は、久し振りという、江戸好みの洒落言葉


 清元 歌詞 「馴染みの弁州、伊勢、駿河・・」
  
  もちろん、弁慶、はじめ一行を、洒落言葉にしています。

  傀儡師一人で、人形をまわすように、踊っていきます。

 
 「街頭芸人が、自分で語って見せている気分で」

  と、踊る心得に書いてありました。

  なかなか、うまくはいきませんが、一所懸命つとめます。

  
  7月27日(土)午後4時開演
  犬山市市民会館・南部公民館 

  お切符=0568-67-2411(犬山市民文化会館)
  メール=mkabuki@docomo.ne.jp    

  是非、お出かけくださいませ
        お待ち致しております。




   
   
by ooca | 2013-07-12 22:37