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市川櫻香の日記


by ooca
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鳴神

「鳴神」
二代目團十郎が、本を書き初演。
鳴神上人は、朝廷に怒りを持ち、修業で得た秘術で、雨を降らさなくしている。困った朝廷は、絶世の美女をおくり、色を持ってその秘術を解こうとする。
人間のおごりを描いています。秘術を悪いことに使うことは、もはや堕落し、上人はその事に気づいていない。
現代に通じた作品です。
色を持って堕落したわけではなく、このお芝居は、始まりから堕落した上人が、どのように、堕落から這い上がるか、を描いているのです。
その、鍵には、まず、和歌があります。
和歌の言霊は、人の心に潤いを与え、無情な、草木、山河に心を感じあわせます。恋心を抱く始まりとなります。
そして、女性の体に、懐かしい母への敬慕を思い出します。
「乳」に触れた上人が、まず、性を取り戻します。上人は、秘術の解き方を語り、女は、上人が酔いつぶれている間に、その秘術を破り、雨を降らせ、帰っていきます。酔いから覚めた上人は、女に怒り、鳴る雷となって後を追っていきます。

上人は、女に騙されたのではなく、女によって、自身の間違えを、正す道に入ることが、できたのです。気づいていくきっかけを、女は、与えたわけです。
by ooca | 2014-01-31 08:42 | 未分類