感情をそだてる歌舞伎、邦楽
2014年 04月 18日
感情というのは、素晴らしい意識をつくるものです。
私は邦楽のなかで、常磐津の「靱猿(うつぼさる)」
が好きです。むすめ歌舞伎をはじめる前の21歳の2月
この靱猿の女大名を舞踊会で演じました。
女大名は、他愛のない人です。神様も精霊も
でてきません、前半の猿引きと子猿の愁嘆に
変わり後半、「壬生狂言」にでてくる三枚目
の男のように、いちゃいちゃ、女大名が恋を仕
掛けたりしながら、子猿を交えて総踊りとなります。
よくできた常磐津曲です。
祖母は、常磐津のお弟子さんたちに、よく
「靱猿」をお稽古していました。
三味線と浄瑠璃の気分がむつかいしいものです。
心底に情がなければ、形にならない曲なのです。
よく出来たというのは、フワッとしたそれでいて
胸が熱くなり、また、ふわりと、「春の陽気」
に似ています。
by ooca
| 2014-04-18 22:00