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市川櫻香の日記


by ooca
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2月は雫

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雫が、陽の光にきらりと
妖精の誕生のようです。
朝から、3月のむすめ歌舞伎公演のお問い合わせを頂いております。演目の【新たいさんふくん】は、能を大成した世阿弥の「泰山府君」を元に構成しました。
先頃、書き下ろされた、渡辺保氏の「身体は幻」の本の中に、能を土台にして成立した歌舞伎について書かれています。
〈能が「つづれの錦」といわれ、そこに引用、挿入、そして意味の転換を含んで、二重三重の劇的技巧が凝らされているように、歌舞伎の舞踊台本も、いい加減につくられているようで実は油断できない。そこには、原作になった物語、挿入された流行歌の風土、言葉の記号的な転換によって、デジタルかつアナログな深い意味をかくしているのである。〉〈歌舞伎が、より深い舞踊台本をつくった世阿弥の手法そのままなのである〉
能に居クセというところがあります。歌舞伎はこれを取り入れ、主人公が状況や心情を所作を伴い真実に触れる場や、劇的な物語の場面にしました。能でも、歌舞伎でもここに、役者、主人公の魅力が放たれています。
このような語りは、舞、踊ると併せ日本の面影を心の底から引き上げ、物語を広げていく言葉の力が軸にあります。言葉は、1つの文字に対して多用なルビがあるように、その始まり、または、相対をからめながら、深い深い奥の底をのぞくような創造をしなさいーと教えています。私達には、日本独自の創造を生み出す方法がまだ残されています。
この本の最初に、日本人の身体観について書かれています。身体観が単に体そのものではないこと〈心の働き、精神全体であり、それを囲む世界との関係にあるに違いない〉と。
歌舞伎や、舞踊を教える仕事をしながら、身体の魅力を発揮することを求めていくことがどれ程大きなことか、私達はせめて今お伝えできることから、私も学びながら、日本のやさしい心をなくさないようにと願っております。

【新たいさんふくん】子ども達に、日本の残したい美しい(思い)をお伝えしたいと思います。
どうぞ、宜しくお願いします。
by ooca | 2015-02-09 13:25 | 未分類