人気ブログランキング | 話題のタグを見る

市川櫻香の日記


by ooca
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

3月29.30日愛知県芸術劇場小ホールです

連日、今月末のむすめ歌舞伎公演に向け、熱の入ったお稽古が続いています。まず、五歳の靭猿の子猿さんは、自然にうまくやり出しています。子ども達は、何をやってもかわいらしい美しさがあります。皆、所作もよく覚え、子どものしやすい振りが舞台で活かされています。小さな頃から舞踊のお稽古をし舞台に出ている子どもは、体の動きに、正しい型を守っていく事を自然に身につけています。
今回、世阿弥初期の脚本とされている「泰山府君」を元にし詩人の村瀬和子氏、能楽の高安流高安勝久氏のご指導を頂き【子どもと歌舞伎】を軸にした物語を創造しました。
歌舞伎や、歌舞伎舞踊の演目の特徴的な役柄を物語に登場させています。それは、私達が伝承芸能を学ぶ上で、工夫方法に必要な、心と技術を養う手だてと考えています。奴、手習娘、胡蝶、文売り、そして、劇中劇の「靭猿」と、それぞれ昔から親しまれた曲や風情、姿、形を子ども達や、今の時代の人達と一緒に触れ、親しむことのきっかけになれば良いとの思いです。子ども達や若い人達が、能楽の名手の方々と1つの舞台の空気中に身を置くことは、大変な経験であることは間違いありません。そのことが、後々に子ども達の大切な宝物になることと想像できます。伝承者の力は容易く表現すれば、いわば〈仙人〉のようなものですから、ご覧になって頂く皆様にも、舞台から感じ取ることが出来ると思います。今回の泰山府君は、「巌に花が咲かんが如し」世阿弥の残した口伝通り、お役をお引き受けくださいました高安勝久氏は、普段なさらないお役ですので、大変珍しい舞台となります。同様、長唄の名曲「靭猿」での狂言佐藤友彦氏の大名は初めての取り組みです。猿曳きの市川りき、太郎冠者柴川菜月、二人もこれまで、様々に学んだことをどのように進化または、練り込んでいくのでしょうか。それを発揮する工夫を会得し、珍しいという感じを心得ることができたら、それが〔花〕というものなのでしょう。

by ooca | 2015-03-02 00:51