人気ブログランキング | 話題のタグを見る

市川櫻香の日記


by ooca
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

日々

実在感のない授業をおこなっています。
以前より気になっていたことがここにきて表われてきました。
そのことを書いてみます。
言葉は、音と意味により成り立ちます。
音には、実在感があり実感があります。
古典芸能の世界は、まだ字の読めない
小さな時に口移しで、私の場合は歌(浄瑠璃や謡)
のお稽古から始まりました。3歳前です。
意味よりも先に音から入り、敬語、古典の候う文
和歌、などと共に、基本の正しい息づかい、口の開け方、リズム、
鼻濁音も教えてもらいました。
言葉には、伝えたいと思う気持ちがこめられることも学び、徐々に
その方法も身体感として自然に身につけていきました。

言葉は、身体と心と共に覚えていくことが大切です。
そこには、音のない言葉もあります。
意味を伝えきれない言葉もあります。
いま、対面できない日常で、この部分を、どう伝えるかとても大切だと感じます。

「対面できないからこそ、このことを意識する時代になるのではないか」
という意見もあります。

これまで、私達の根底を伝えるのに、ふさわしい文字がありませんでした。
それは、山や川や植物、石や鳥、花、風、水、すべて私達と同じ同根という考え
による、自然と一体化した世界観から生まれる考え方です。
その考え方について、私達は言葉を持たないで今日まできました。
ではどのようにその考え方が伝えられてきたか、と言いますと、これは
「道」として伝えられてきたのです。道とは、茶道や武道、書道、歌道、など
これら芸道と言われ、その道は生き方と直結された考え方です。
今では過去の日本の姿となりました。
この「道」の世界を分析しながら、新しく取り入れていくことに次の時代が
求められなければならないでありましょう。






by ooca | 2020-04-26 16:24 | 櫻香のつぶやき