人気ブログランキング | 話題のタグを見る

市川櫻香の日記


by ooca
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

日々休まず

團十郎先生の勧進帳、心に残りました。先日、むすめ歌舞伎公演後のご報告に博多座へ。久しぶりの博多座は華やかで、客席もロビーも特別なおもてなし空間です。客席に向かう扉を開けると、舞台の間口の広さが、迫力を持って目の前に広がります。お芝居の感激を期待させてしまう空間です。
團十郎先生の弁慶は、いつもと違っていました。台詞は聞かせるものではなく感じるものであること、ともかくひたひたと心が台詞の内容を越えて広がっていくような弁慶でした。声や体で表現をするのは演劇としてもちろん、それ以上に歌舞伎は独特な演技手法を工夫しながら、よりはりつめ、また聞かせ、酔わせていくところに愛好されてきた今日までの経緯があります。私は、この日の團十郎先生が、世阿弥の伝える『冷え』の藝態にあると大変僭越ながら感じました。冷えとは、「そぎ落とした」、「繊細」、「宇宙」、「型」、「鋭い」、「深い」。私は、歌舞伎の藝態として、大変時代にあった今日的な感性を、團十郎先生に拝見できました。忘れません。ありがとうございました。
# by ooca | 2011-11-09 17:26
新幹線移動の中、17頭のブタを乗せ食肉加工場に向かうトラックが、ガードレールにぶつかり、ブタが逃走したニュースが流れています。ブタたちに一時でも、楽しんで、走ってほしいと願いました。ブタ肉を美味しくいただく日常に、こんな思いを持つことは、矛盾してますよね。でも、このブタたちが、もし自分だったらと考えたら、この逃走を楽しんでほしい、捕まってしまう間のほんのひとときでも。私達は、大切な命を頂き力をもらって生きているとあらためて感じます。頂いた力をおろそかにできません。
公演あとがきとなりますが、お能の方々に補導して頂き、お舞台をつとめていく中、おシテ方の清沢一政さんが、菊慈童の作り物に、ゆっくり感謝をするようにされその瞬間、作り物が、作り物でなくなり、息吹きを得たように感じられました。感謝は、いかなる矛盾ものみ込むのでしょうか。頂く側の心の修行を見せて頂いたように思いました。
# by ooca | 2011-11-07 12:41

公演あとがき

公演あとがき_f0228641_11124381.jpg

昔の【大変】だった思い出を伺うのは、心の滋養だと感じています。公演前日のリハーサルを見に駆けつけてくださった、藤浪小道具相談役湯川弘明さんから「勧進帳を見ていて、懐かしい気持ちになったよ。弁慶の弥陀の利剣のことだけどね、あれ、ふぐ三っつさんに言われて、作ったんだよ。もちろん、いつもの歌舞伎じゃぁ使わないけどね。あぁ思い出したよ、あの時のこと」
苦労をしたことを聞かせていただきます。話しのあと必ず「大変だったけど、いい勉強だったよ」って言われます。湯川さんの声が若やいで聞こえます。で、肝心の公演のご感想は「勧進帳はいい演劇だとあらためて思ったよ、歌舞伎の良さが、能の形の中でも、みずみずしくて、よりすばらいと感じたよ。新しいね。良かった」嬉しいご感想をいただけました。【大変】大好きです。若いうち、生きているうちですものね。
# by ooca | 2011-11-05 11:12
良い空気が手まりの中にあり、その中に入るのは、容易ではなく、また、容易でもあり、この度、そのまりの中に入れていただき、それぞれお稽古の通りをつとめました。良い空気とは、感謝のことや、一生懸命のこと、丁寧なことなど、空間の中に充満させて、たっぷりとおだやかを感じながら実はそーっとお舞台にのせていただいているこの不思議さ。
むすめ歌舞伎公演、おかげさまで無事につとめあげました。御声援ありがとうございました。
公演の内容をまた、御報告いたします。
# by ooca | 2011-11-04 17:59
明日むすめ歌舞伎公演いよいよとなりました。その前日の深夜を迎え、緊張と疲れの重い感じに、ぼんやりしています。下ざらえを終え、今同じ感覚でいる皆さんのことを考えていました。
能楽堂に正面雛だんのやまだい(演奏者の座るところです)をおきました。よくあっています。音も、もちろん生音です。明日のお客様は絶対喜んでくださると確信してしまいました。では、おやすみします。
# by ooca | 2011-11-02 22:45