
昨日は、ボストン美術館へ。馬場駿吉館長にお会いしに。馬場先生は、名古屋市立大学医学部を卒業され、日本耳鼻咽喉科学会会長などさまざまな要職につかれている医学の方です。初めて先生にお会いしましたのは、先生の俳句。ずいぶん長い間、実際のご本人ぬきで先生の俳句に親しんで参りました。お会いするのはこれで二回目。伝統芸能の歩みに、ご意見を伺いたく失礼にもお忙しい中を、お時間を頂きました。物事の見方にひとつ間をー濁らせないで歩みたい、この思いで、馬場先生のところに向かいました。小さな頃からの大好きな、画家の北川民次先生の最晩年のお話などを伺いました。
晩年も私の留守などにお寄り頂きましたが、先生に、もっとたくさんお話を伺いたかったと悔やまれました。
馬場先生の俳句に出会いましたのは、名古屋の芸術のひとつ、「ねんげ句会」です。丸善でご披露される句会には、元名古屋市長さんで、中部邦楽総合教室の二代目の校長、杉戸清先生も、多才を発揮されていました。ねんげ句会でも、むすめ歌舞伎はおおいに可愛がって頂き俳句にも登場させて頂きました。
このように名古屋の方々に支えて頂き、その流れが、むすめ歌舞伎の根底となっていることを、有り難く感じました。
【星形の言葉を求めて】馬場先生のエッセイをまとめた御本、美しい黒の装丁は、先生に、お月様のイメージが重なります。それはそれは、じんわりとして清心な秋のお月様です。
夜、歴史作家大内美予子先生に本当にお久し振りにお電話。10年ぶりでしょうか、でも先生のお宅の電話番号がすらすらと出てきました、いかにその節お世話になっておりましたか・・ほんとうにありがとうございました。
むすめ歌舞伎、様々をご報告。昔も今もあまり変わることではないと実感。先生から中部邦楽総合教室が興した名古屋の文化芸能の血脈の支えは絶やさないで欲しい。と。
思えば、時代々に支えてに廻り合い熱を持って暖めていって下さったことを本当に有り難く感謝にたえません。杉戸清先生、御園座の先代会長、長谷川栄一 様、先代社長、長谷川真弘様、本当によくお稽古を見に来て下さいました。シュークリームの差し入れの箱をお供の秘書の方のお顔が見えなくなるほど沢山に抱え、若い私たちは大喜び。お稽古の邪魔にならないよう計られて、すーっといらして、熱心にご覧になられ、また、すーっと、お上手にお帰りになられ鮮やかでした。感動のシーンもたくさん頂きました。
その暖かな思いに報いたくて、お稽古に邁進していきました。
思い出せば、祖母のお弟子さんでもあられた様々な方々、ともかく素敵な見識のある絶対応援者でした。
情と見識をかたちにされて、ずるい考えを持った人は、才能はあっても、認めない。
品格を持ち、人を見る目利きでした。
祖母も私も、家中が、安心して芸能と向き合っていました。
様々な人との織りなす景色を、宝物に、かならず素晴らしいながめとなっていきますよう。
写真は、1997年の夏 ホックニーの十代の頃、丘陵の美しさに魅せられ至るところをサイクリングしたという思い出が表れているような、彼の故郷のながめ。ボストン美術館より、ザ、風景のポスターです。紫と黄色が映えて、ワクワクしたあの頃が感じられて素敵でした。
ありがとうございました。